Keliber社のリチウム電池用鉱物を対象としたTimegated® Ramanによるオンライン鉱物分析

Keliber社は、同社最大の鉱床であるRapasaari鉱床の鉱石を用いた、4段階のパイロットスケール試験プログラムを完了しました。
Timegate Instrumentsは、このうち第2段階および第3段階に参加しました。これらの試験は、Keliber社がGTK MintecおよびFLSmidth社と共同で実施したものです。

この試験プログラムの目的は、鉱石から最終製品である水酸化リチウムに至るまで、各工程におけるRapasaari鉱床の鉱石の挙動を検証することです。

本試験においてTimegate Instrumentsは、フィンランド・オウトクンプにあるGTK Mintecの鉱物処理パイロットプラントおよび研究施設で、Timegated® Raman技術を用いたオンライン測定を実施し、良好な結果を得ました。

GTKオウトクンプ鉱物処理パイロットプラントの全景

Timegated® Raman技術による鉱物濃度の測定

試験プログラムの第2段階では、オウトクンプにあるGTK Mintecのパイロットプラントにおいて、連続鉱物処理試験が実施されました。鉱物処理の主な工程は、次のとおりです。

  • 破砕
  • 粉砕
  • 分級
  • 磁力選別
  • 浮遊選鉱
  • 脱水

パイロット試験では、約50トンのRapasaari産スポジュメン鉱石が正常に処理され、約4トンのスポジュメン精鉱が得られました。Timegate Instrumentsは、この試験段階においてオンラインモニタリングサービスを提供しました。

GTK MintecにSpectOre測定ユニットを設置する
Timegate Instrumentsのアプリケーションスペシャリスト、Bryan Heilala

鉱業分野では、採掘される物質の多くが蛍光を発します。この蛍光がラマン信号を覆い隠し、鉱物学的データの取得を妨げるため、ラマン分光法の実用的な産業利用はこれまで限定されてきました。

今回のパイロット試験に導入された鉱物分析システムには、特許取得済みのTimegated® Raman技術が採用されています。

時間ゲートを利用することで、蛍光が現れる前に鉱物組成のラマンスペクトルを取得できます。そのため、Timegated® Raman技術を使用することによって、鉱物を効果的に識別できます。

スポジュメンは、ほかの多くのケイ酸塩鉱物と同様に、強いラマン応答を示します。そのため、Keliber社のスポジュメン浮遊選鉱工程では、Timegated® Raman分光法を用いてスポジュメン濃度の変化をモニタリングできます。

GTK Mintecにおいて、精鉱測定用プローブに接続されたラマン分析装置

鉱物のラマンスペクトルは、選鉱工程の次の3か所で連続的かつ同時に測定されました。

  • 供給原料
  • 精鉱
  • 尾鉱

浸漬型プローブを混合タンク内のスラリーに挿入し、光ファイバーを介してラマン分光器に接続しました。これにより、対象鉱物の濃度を連続的にモニタリングしました。

GTK Mintecの混合タンクに取り付けられた測定プローブ
注:レーザー保護カバーは、広報用の撮影のためにのみ取り外されています。

試験の第3段階では、精鉱中のα型スポジュメンを、ロータリーキルンによる連続高温転換工程によってβ型スポジュメンへ転換しました。

Timegated® Raman技術は、スポジュメンのα型とβ型を検出し、識別することができます。この技術を利用して転換条件を最適化し、転換結果の改善を図りました。その結果、高温転換パイロット試験では、平均96.3%の転換率を達成しました。この試験段階は、FLSmidth社との共同で実施されました。

FLSmidth社の施設に設置されたロータリーキルン設備

FLSmidth社の施設で実施されたTimegated® Ramanによるアットライン測定

試験プログラムの第4段階、そして最終段階では、ソーダ加圧浸出法によって、電池グレードの水酸化リチウム一水和物が製造されました。
公表された試験結果は、Keliber社のウェブサイトで確認できます。

原文:Online Timegated® Raman mineral analysis of Keliber’s lithium battery minerals

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