

Timegated® Ramanによるバイオプロセスモニタリングの有望な結果
Timegate Instrumentsが、VTTのバイオプロセスエンジニアリングチーム(エスポー)および光学測定チーム(オウル)と共同で実施したパイロット研究について、いよいよ興味深い結果を詳しくご紹介します。
このパイロット研究に関する前回の記事をまだご覧になっていない方は、こちらをご覧ください。
Timegated® Ramanによるバイオプロセスモニタリングで生産効率を向上

画像:バイオリアクターに接続されたTimegateの分光器
最先端のPicoRaman M3分光器をバイオリアクターにシームレスに接続しました。PicoRaman M3を使用して、オボアルブミン生産のバイオプロセスをモニタリングしています。
パイロット研究の最終段階
今回のバイオプロセスモニタリング研究の最終段階では、Aspergillus(コウジカビ属)にストレスを与えて胞子形成を誘導し、実際に胞子形成が始まる前に、Time-gated Ramanがそのストレスの兆候を検出できるかを調べました。
これは、バイオプロセスにおいてモニタリングすべき重要なパラメーターです。目的とする重要な生産物、今回の場合はタンパク質を微生物が生産し続けるためには、健全な状態を維持する必要があるからです。
発酵工程の終盤で、基質の供給を停止して微生物を飢餓状態にし、胞子形成を促しました。

図:胞子形成誘導試験における平均Time-gated Ramanスペクトル
青線は基質供給停止後45分まで、赤線は1~2.5時間後の平均スペクトル。
脂質由来のエステル結合およびタンパク質関連バンドの低下から、
顕微鏡で形態変化が確認される前に、グルコース不足に伴う代謝状態の変化が検出。
Time-gateラマンは、明確な変化が現れるよりもはるかに早く変化を検出
Time-gated Ramanは、飢餓状態を誘導してから45分後に、バイオプロセスに大きな変化が生じることを捉えました。
脂質由来のエステル結合のバンド強度と、タンパク質バンドが急速に低下しました。
これは、グルコースの不足によって代謝経路が変化したためと考えられます。また、バックグラウンド蛍光も大幅に減少しました。
一方、顕微鏡観察では、2時間後になって初めて、一部のAspergillus菌糸の先端が丸みを帯びていることが確認されましたが、この時点でも胞子形成そのものは観察されませんでした。
このことから、Time-gated Ramanは、より明確な形態変化が現れるよりもはるかに早い段階で、分子レベルの変化を検出したことが分かります。
今回の有望な結果を受けて、今春にはさらに「これまで見えなかったもの」を明らかにしていきます。
今後も新たなパイロット研究を予定しています。ぜひご期待ください。
上記原文:The promising bioprocess monitoring results with Timegated® Raman
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